転勤族・子なし夫婦の老後資金、実際いくら必要?自作シミュレーターで試算してみた

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この記事でわかること
  • 賃貸のまま・子どもなしで、老後にいくら必要かを自作シミュレーターで試算
  • NISA・iDeCoの積立、家賃、介護費、物価上昇までまとめて計算できる
  • 「今のペース」と「最悪ケース」を比べて、自分の安全ラインを知る方法

老後2000万円問題。あの発言がきっかけで、一気に「老後、大丈夫かな」って不安になった人、多いんじゃないかなと思います。私もその一人でした。

でも最近、ちょっと考え方が変わってきました。

私がNISAやiDeCoで積立をしているのは、「老後のために我慢して貯める」んじゃなくて、「これだけあれば大丈夫」という安心を先に手に入れて、今をもっと自由に使うため。だって、いつまで健康でいられるかなんて誰にもわからないから。物欲がなくなるかもしれない、食べたいものが食べられなくなるかもしれない、旅行に行きたいと思わなくなるかもしれない、足が不自由になるかもしれない。今しかできないことって、意外と多いんです。

あと、私、家を建てたいと思ったことがほとんどないんです。実家が持ち家だったからかもしれないけど、インテリアは好きでも「家を建てる」のは別の話で。何十年もローンを背負うのは、ビビり症の私には正直むずかしい(笑)。それより、住みたい街に身軽に住み替えられる賃貸の気楽さの方が、自分には合っている気がしています。

両親は心配してくれて、「住むところがなくなったらどうするの」「そろそろ購入も考えたら」と言ってくれます。その気持ちはすごくありがたい。でも、これからますます少子高齢化が進んで、結婚しない人、シングルの人、子どもがいない人はもっと増えていく。そういう生き方をする人たちを、無視できない時代になっていくと思うんです。

だから今日は、「賃貸のまま、子どもなしで、老後どれくらいのお金があれば安心できるのか」を、自分なりに数字で試算してみることにしました。

老後資金シミュレーターを作ってみた

不安を言葉にするだけじゃなくて、ちゃんと数字で見てみたいと思って、自分で簡単な試算ツールを作ってみました。

このツールでは、こんなことが一度に計算できます。

  • NISA・iDeCoの積立が将来いくらになるか(妻・夫それぞれ個別に設定可能)
  • 老後の住居費(ずっと賃貸の場合、家賃×年数でどれくらいかかるか)
  • 介護費用(施設のグレードや入居期間によって変わる金額)
  • 物価上昇による資産の実質的な目減り
  • 働き方別の年金の目安(自営業・会社員+扶養・共働きから選べます)と、年金が減った場合の影響

正直、NISA・iDeCoの積立額だけを計算するツールは結構あるんですけど、「賃貸前提の住居費」と「介護費用」まで一緒に見られるものって意外と少なくて。子どもがいない・ずっと賃貸かもしれない、という私みたいな人にちょうどいいものがなかったので、それなら自分で作ろうと思いました。

下のツールに、自分の積立額や想定を入れてみてください。バーが赤(不足)・黄色(ギリギリ)・緑(余裕)で表示されるので、今のペースで大丈夫そうか、直感的にわかると思います。

RETIREMENT SIMULATION
老後資金シミュレーター

運用利回り・介護費用・住居費・物価上昇率を動かして、老後に月いくら使えるかを確認できます。

老後に使えるお金(年金+貯蓄・月あたり)
万円 / 月
不足ギリギリ(生活費30万目安)余裕
この「使えるお金」の内訳(月あたり)= 下の2つの合計
年金(月・現状想定) 貯めたお金から使える分(月)
「貯めたお金から使える分」の内訳
65歳時点の資産(今の価値)
- 住居費・介護の総額
= 自由に使えるお金(実質)
この金額を老後の年数で割ったものが、上の「貯めたお金から使える分(月)」です。
妻 NISA
月々の積立額
夫 NISA
月々の積立額
妻 iDeCo
月々の積立額(60歳で拠出終了、以降は運用のみ)
積立期間
今から65歳までの年数
家賃
65歳以降、ずっと賃貸だと想定した場合の月額
老後の年数
65歳から何年分を想定するか
① 運用利回り
NISA・iDeCoの年平均リターン想定
② 介護費用(2人分)
施設のグレードと入居期間の想定
低め(特養)中間高め(民間)
③ 物価上昇率
資産の実質的な目減り具合
④ 年金(夫婦合計・月あたり)
働き方で大きく変わります。ボタンで目安を選んで微調整もOK
目安:自営業など=国民年金2人分/夫会社員+妻扶養=いわゆるモデル年金/共働き=会社員2人の概算。正確な見込み額は「ねんきん定期便」で確認できます。
年金の減額(参考)
将来の年金カットも重ねて見る場合はオンに
※簡易モデルです。妻NISA・夫NISA・妻iDeCoそれぞれの月額積立を年利複利で計算(iDeCoは60歳到達時点で拠出終了、以降は運用のみ)。住居費は「家賃×老後の年数」で計算(持ち家に切り替えると購入費用・維持費ベースに変更)。実際の資産配分・税制・制度変更等は反映していません。

実際に使ってみよう(操作ガイド)

スライダーは大きく分けて4つのブロックに分かれています。

  1. 毎月の積立額・積立期間:妻NISA・夫NISA・妻iDeCoをそれぞれ自分の金額に置き換えて、今から65歳まで何年あるかも入力します。
  2. 老後の住居費:家賃と、65歳から先を何年分見込むか。持ち家を検討中の人は「詳細設定」を開くと購入費用・維持費ベースの試算に切り替えられます。
  3. 将来の前提条件:運用利回り、介護費用(2人分)、物価上昇率。「絶対こうなる」という数字ではなく、シナリオとして動かして感触をつかむためのものです。
  4. 年金:働き方のボタン(自営業など/夫会社員+妻扶養/共働き)で夫婦合計の目安を選べます。ねんきん定期便の金額に合わせてスライダーで微調整もできます。将来的な年金カットを重ねて見たい場合は「▲30%カット」をオンにしてみてください。

まずは自分の積立額を入れてみて、今のペースで月いくら使える見込みかを確認してみてください。そのあと、あえて厳しめの数字(利回り低め・介護費用高め)にしてみると、「最悪のケースでもどれくらい耐えられるか」が見えてきます。

我が家に近い条件で試算してみた

実際に、我が家に近い「共働きでコツコツ積み立てている夫婦」のケースで数字を入れてみました。

入れてみた条件

  • NISA:夫婦で合わせて月12万円(それぞれ6万円ずつ)
  • iDeCo:月2万円
  • これを25年間、利回り4%で運用
  • 老後はずっと賃貸、家賃は月7万円で25年分(90歳まで)
  • 介護費用は2人分で中間くらい(1,540万円)
  • 年金は夫婦で月23万円(共働きですが、私は転勤続きで厚生年金に入っていた期間と入っていない期間が混ざっているので、少し控えめに見積もりました)

この条件で計算すると、65歳時点の資産は今の価値でだいたい4,265万円。そこから、老後にかかる住居費と介護費の総額(約3,640万円)を引くと、自由に使えるお金は約625万円。これを老後の年数で割って月にならすと、貯蓄から使えるのは月2万円ほど。年金(月23万円想定)と合わせて、月25万円くらいという結果でした。

正直、「4,000万円以上あるのに、家賃と介護を引いたら自由に使えるお金は月2万円?」と、ちょっとびっくり。物価で目減りすることと、賃貸だと住居費がずっとかかることの重さを、数字で突きつけられた感じです。それでも、年金と合わせて月25万円あれば、贅沢はできなくても暮らしていけそう。「ギリギリだけど、何とかなりそう」というのが正直な感想でした。

でも、ここで欲を出して「最悪のケースも見ておこう」と、条件を全部厳しめに振ってみました。利回りを2%に下げて、物価上昇を3%に上げて、年金は3割カット、介護費用も高め(2,400万円)にすると…結果は月10万円ほど「不足」。資産が住居費と介護費で尽きて、ほぼ年金だけで暮らす計算になってしまいました。さすがにこれはゾッとしました。

これで気づいたのは、「今のペースで大丈夫そう」と「どんな状況でも大丈夫」は全然違うということ。特にうちのような子どもがいない・ずっと賃貸かもしれない夫婦は、住居費と介護費という「あとから効いてくる大きな支出」にどう備えるかで、老後の景色がまるっきり変わります。数字にしてみると、「あと月いくら積み立てれば、最悪のケースでも耐えられるか」という具体的な行動が見えてくる。それが、このツールを作ってよかったなと思うところです。

ちなみに、子どもや頼れる家族がいない場合は、住居費・介護費のほかに「死後事務委任契約」(90〜200万円ほどと言われます)や「任意後見制度」(利用が始まると月1〜6万円ほど)といった費用もかかると言われています。介護費用や住居費に比べれば小さいですが、+150〜250万円くらいは「余裕枠」として頭の隅に置いておくと安心かもしれません。

この試算を鵜呑みにしないでね、という話

最後に、大事なことをいくつか。

このシミュレーターは、私が自分の不安を整理するために作ったざっくりの試算ツールです。入れた数字が、そのまま将来を約束してくれるわけではありません。

  • 利回り・物価・年金・介護費用は、あくまで「仮の前提」です。運用利回りは年によって上下しますし、物価も年金制度も、この先どうなるかは誰にもわかりません。
  • NISAもiDeCoも投資なので、元本割れの可能性があります。増えることもあれば、タイミングによっては減ることも。iDeCoは原則60歳まで引き出せない点も、頭に入れておきたいところです。
  • 家賃・介護・年金は、人によって・地域によって・時期によって大きく変わります。ここで出した金額は「我が家の場合の一例」で、正解の数字ではありません。
  • そして何より、私はお金の専門家ではありません。本気で老後資金を設計するときは、ファイナンシャルプランナーや、金融庁・ねんきん定期便などの公式情報も合わせて確認してくださいね。

数字はあくまで「不安を行動に変えるためのきっかけ」。ぴったり当てるためのものではない、というくらいの距離感で使ってもらえたら嬉しいです。

さいごに ― あなたもぜひ試してみて

「老後、大丈夫かな」という漠然とした不安は、数字にしてみると「あと月◯万円積み立てれば安心」という具体的な行動に変わります。私はこれをやってみて、ずいぶん気持ちが軽くなりました。

ぜひ、上のツールにあなた自身の数字を入れてみてください。そして一度、あえて厳しめのシナリオ(利回り低め・年金カット・介護費用高め)も試してみると、「最悪でもこのくらいは耐えられる」という自分の安全ラインが見えてきます。

我が家がNISA・iDeCo・保険を見直したときの話は転勤退職をきっかけにお金を見直した話に、退職後のお金の支えについては転勤族の妻の失業手当の話にまとめています。あわせて読んでもらえたら、老後までのお金の準備がもう少し具体的にイメージできるかもしれません。

同じように「賃貸のまま・子どもなしで生きていく」ことを考えている人の、ちょっとした安心材料になれたら嬉しいです。試した結果や感想も、よかったらコメントやInstagram(@kukuri_tennis_life)で教えてくださいね。

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