【2026年4月改正】カシューナッツがアレルギー表示の義務になりました|買い物で確認したい3つのこと

食事・栄養

スーパーでお菓子の袋を裏返して、原材料名を見ることはありますか。

私は食品メーカーで品質管理を9年担当していて、中級食品表示診断士という資格を持っています。とはいえ普段は普通の主婦です。ただ職業柄、買い物のときに裏面を見るくせがついていて、2026年4月に表示のルールが変わってからは、前よりも気にして見るようになりました。

変わったのは、アレルギー表示です。カシューナッツが「必ず書かなければいけない」品目になりました。

ただ、ここが少しややこしいところで、義務になったからといって、今すぐすべての商品に書かれるわけではありません。この記事では、買う側として何を見ればいいのかを整理してみます。

この記事でわかること
  • 2026年4月から、アレルギー表示の対象が29品目に増えたこと
  • 義務になったのに「まだ書かれていない商品」がある理由
  • ピスタチオは今も「書かなくてもいい」ままだということ
  • 原材料名を見るときに見落としやすい3つのこと

※この記事は2026年10月時点の消費者庁の情報をもとにしています。食品表示の制度は改正が続いているため、最新の内容は消費者庁のウェブサイトでご確認ください。また、アレルギー症状についての判断や対処は、必ず医師にご相談ください。

2026年4月、アレルギー表示はこう変わりました

変更点は2つです。カシューナッツが義務になり、ピスタチオが新しく対象に加わりました。

品目2026年4月の変更表示は
カシューナッツ推奨 → 義務必ず書かれる(ただし猶予期間あり)
ピスタチオ新たに推奨に追加書かれないことがある

アレルギー表示には、2つの段階があります。必ず書かなければいけない「義務」の品目と、書くことがすすめられている「推奨」の品目です。

  • 義務の9品目…えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
  • 推奨の20品目…アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

合わせて29品目です。ここで知っておきたいのは、義務の9品目は必ず書かれますが、推奨の20品目は書かれていなくても違反ではないということ。大豆もごまも、りんごも、実は「書かなくてもいい」品目なのです。

ちなみに、かつて推奨品目に入っていたまつたけは、2024年に対象から外れています。対象は固定ではなく、調査の結果を見ながら見直されているのですね。

義務になったのに「まだ書いていない商品」があります

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。

法律が変わっても、商品の包装はすぐには切り替わりません。パッケージは何万枚単位で印刷してありますし、原材料の確認をやり直して、デザインを直して、印刷し直して、工場に届くまでには時間がかかります。中にいたころ、表示を一行変えるだけでも何度も確認を重ねていたので、この大変さは身にしみています。

そのため、2028年3月31日までの猶予期間(経過措置といいます)が設けられています。この日までに作られた商品は、カシューナッツの表示がなくても違反にはなりません。

つまり、今は、カシューナッツが書いてある商品と、書いていない商品が同時に棚に並んでいる時期だということです。

カシューナッツのアレルギーがある方は、2028年3月末までのあいだ「書いていない=入っていない」と考えることはできません。気になる商品は、メーカーのお客様相談室に問い合わせるのが確実です。

なお消費者庁は、猶予期間を設けたうえで「可能な限り速やかに表示するように」と事業者に求めています。待っていい期間というより、間に合わせるための期間、という位置づけです。

ピスタチオは、今も「書かなくてもいい」ままです

同じ2026年4月に、ピスタチオも対象に加わりました。ただしこちらは推奨なので、書かれていなくても違反ではありません。

ピスタチオが加わった理由は、カシューナッツと成分がよく似ていて、交差反応が起こりうるからだとされています。検査でも区別しにくいほど近いのだそうです。

ということは、カシューナッツで症状が出たことがある方は、ピスタチオにも気をつけておく、という読み方ができます。ピスタチオはアイスやお菓子で人気の素材なので、見かける機会は増えていますね。

原材料名を見るときの、見落としやすい3つのこと

ここからは、表示を見るときのコツです。実務でも間違えやすい順に3つだけ挙げます。

「卵白」「卵黄」と書いてあれば卵です

「卵」の字が入っているので省略できそうに見えますが、ルールの上では「卵白(卵を含む)」のように書くことになっています。事故を防ぐための決まりです。見落としやすいところなので、卵が気になる方は覚えておくと安心です。

「乳糖」は乳の仲間です

「乳糖」は乳の表記のひとつとして扱われます。「バター」「チーズ」「アイスクリーム」も同じく乳です。

ややこしいのは逆のパターンで、「ココナッツミルク」や「カカオバター」は乳ではありません。名前が紛らわしいので、消費者庁も「できるだけ『乳成分を含む』と書くのが望ましい」としています。

「ピーナッツ」は落花生です

「落花生」と書かれていなくても、ピーナッツ、ピーナッツバター、ピーナッツクリームはすべて落花生のことです。同じように、言い換えが認められている書き方がいくつかあります。

原材料名でこう書いてあったらこの品目です
海老、エビ、えび天ぷら、サクラエビえび
玉子、たまご、エッグ、鶏卵、厚焼玉子卵
ミルク、バター、チーズ、牛乳、乳糖、調製粉乳乳
ピーナッツ、ピーナッツバター落花生
こむぎ、コムギ、小麦粉小麦

いっぽうで、カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオには、こうした言い換えがありません。その名前のまま書かれます。覚えることが少なくて助かりますね。

原材料名の読み方については、食品添加物の本当のところでも、メーカーにいた立場から書いています。表示の見かたを知ると、同じ商品でも違って見えてきます。実際にクエン酸コンクの記事では、原材料表示を読み解いたことで、自分が思っていた中身との違いに気づきました。

「入っているかもしれません」とは書けません

同じ工場で作っているために、意図せず混ざってしまう可能性がある。そういうときに書かれるのが注意書きです。

ここにも決まりがあって、「入っているかもしれません」「入っている場合があります」という書き方は認められていません。あいまいな表示が増えると、食べられるものがどんどん減ってしまうからです。

正しいのは「本品製造工場では○○を含む製品を生産しています」という形です。この一文があるかどうかで、同じ工場で何を作っているかが分かります。

ちなみに、必ず混ざってしまう場合は注意書きではなく、原材料としてきちんと表示することになっています。注意書きは「対策をしたうえで、それでも可能性が残る場合」のものなのですね。

わが家での見かた

わが家に重いアレルギーの人がいるわけではありません。それでも裏面を見るのは、全身に蕁麻疹が出た時期に、自分が何を食べているのかを把握しておきたいと思うようになったからです。

買い物で見ているのは、原材料名のいちばん後ろです。アレルギーのまとめ書きは、たいてい原材料名の最後にかっこ書きで入っています。時間がないときは、そこだけ見ます。

そして今は、書いていないからといって入っていないとは限らない時期だということも頭に置くようにしています。制度が切り替わる途中というのは、こういうことが起きるのだと、中にいたからこそ分かる部分かもしれません。

毎日の食事のことで言えば、基本の調味料も、裏面を見るようになってから選び方が変わったもののひとつです。

まとめ

・2026年4月から、アレルギー表示の対象は29品目(義務9・推奨20)になった
・カシューナッツが義務に。ただし2028年3月31日までは、書いていない商品もある
・その期間は「書いていない=入っていない」とは判断できない
・ピスタチオは推奨なので、書かれていなくても違反ではない
・カシューナッツで症状が出たことがある人は、ピスタチオにも注意
・「卵白」は卵、「乳糖」は乳、「ピーナッツ」は落花生
・ココナッツミルク、カカオバターは乳ではない
・「入っているかもしれません」という表示は認められていない

表示のルールは、読み方を知っているかどうかで受け取れる情報量がずいぶん変わります。全部を覚える必要はないので、気になる品目だけでも頭の片隅に置いておくと、買い物が少しラクになるかなと思います。

参考:消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」/「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック(令和8年4月)」

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